現状分析|建設・建築業のBIを活用した経営分析

過去に5期連続で赤字だった企業さんがBIツールの活用により黒字化へ成功しました。
今回はその例をもとに現状分析する際のポイントを解説します。

現場ごとの実行予算比較

ここでは過去に施工した物件データの利益を見て、企業別に傾向を確認します。

図1
図2

※図1の❶の4区分は図2の表に該当します。

まず、利益がでない原因を調べます。❶の円グラフを見ると、予算も低く、利益率も低い案件(黄色)が全体の40%を占めていることが分かります。また、利益率は高いが、予算より費用がかかってしまった工事(緑色)が全体の約半分です。
次に、どこから改善をすべきかというと、❷で多くを占める「20%以上再マイナス(緑色)」に該当する案件ということが分かります。つまり、実行予算通りに工事を進めないといけません。
そして、❸商品別による比較や、❹坪数別での差があるかも確認することができます。ここで傾向を見て予算を見直したりする必要があります。

また、BIにはAI機能が備わっており、優先して解決すべきところを教えてくれます。

この場合、
・期間が長くなれば長くなるほど利益率が悪くなる→施工期間を短くすべき
・売上が低い→売上を上げるべき
・工事の面積が広いほど利益率が減少→工事の面積を狭めるべき
など、データ上から分かることを教えてくれるので、解決に役立てることができます。

営業管理

建築業は受注産業なので、どのようにお客さんを獲得していくのかが非常に重要です。
ここでは過去の契約情報から分析をします。

図3

上記のような円グラフでの集計だけならExcel等でも作成が可能ですが、BIでは選択した部分に該当するデータを細かく分析することができます。

左上円グラフの「契約」の方を選択した場
項目結果・分析
状況全体で95件の見込みのあるお客様のうち、契約に繋がったのは20件
担当者件数は野口さんが多いが、契約件数は寺下さんが多い→営業担当者の指導や取り組み方を改善する
クロージング件数だけで見ると夫が大半だが、契約まで決まるのは夫婦である場合や親子・奥さんの場合→営業する相手・時間帯など見直し
流入経理チラシが効果的なので、費用をかけてHPやSNSで宣伝していくのではなく、チラシを更に良いものにして販売促進していく方が効果的

また、AIにより(図3参照)、優先して改善すべきことを分析しています。
①クロージング相手は夫婦がいる時にする
②営業担当は寺下さんにする
③流通経路はチラシにする など

この記事を書いた人

IGブレーン編集部

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